hapiaraのブログ

ハッピーなアラサーを目指す話。

「女は感情的だから扱いにくい」問題について思うこと

先日、タイムラインを眺めていたらこんなツイートを見つけた。

この呆然とする気持ち、心当たりがある女性も少なくないのではないだろうか。

特に、年齢も若くて、リーダー職についてしまった女性によくある問題だと推測する。

 ー 経験も年齢も自分が下、しかしチームを率いていかねばならない

そんな状況の下、プロジェクトを成功させるための調整弁として、

「己の感情を殺す」という選択を下すパターンが多いのではないだろうか。

「感情を殺す」理由 

リーダー職を務めるにあたって、自分の言葉に耳を傾けてもらう関係性をつくることは何より重要だ。特に、業務上のコミュニケーションとして「指摘・改善事項」を指導する場面ではこの関係性が前提となる。

「あいつは感情でモノを言う」という偏見を持たれていると言葉がまっすぐ伝わらず、「女性特有のヒステリー」もしくは「気分的な八つ当たり」と受け取られてしまうリスクがある。

一方、「あの人は(女性だけど)感情に任せてモノを言わない人だ」と思わせることに成功すると、伝えたい内容がネガティブであろうと意図通りの意味で受け止めてもらえる可能性が高い。

若くて経験も少ない女性リーダーにとって、「感情を殺す」ことは、ただでさえ狭い周囲のストライクゾーンを手っ取り早く拡げる一つの手段といえるのだ。

もちろん、経験や技術、立場に伴うにつれ、この方法以外の解決策を習得していく。そういった成長過程の中で、抑えていた感情を徐々に取り戻していける人もいる。

ただ「感情レスこそが唯一の調整弁」という考えから抜け出せない程まで感情をすり減らしてしまうと悲惨だ。 

「感情を殺す」ことの弊害

先のツイートにもある通り、感情を抑えることはいいことばかりではない。

たとえば、部下に対して「情緒面のサポート」をする場合がそうだ。

 

心が折れる職場』*1において、

心がおれた部下の助け方と一つとして「情緒面のサポート」という考え方が定義されている。

「情緒面のサポート」は、共感したり、努力に気づいてあげたり、見守ったりする。
これを本人に伝えることで、精神的な支えになる働きです。 

具体的には、

「大変だね、その辛さはよく分かるよ、工夫して取り組んでくれてありがとう」

「あなたの仕事はちゃんと見ているからね。どうしようもなくなったら、一緒に考えよう!」

等の言葉だろうか。

しかしながら、普段から感情を抑圧していると、部下の感情面の変化を察知する能力が薄れてしまう。つまり、適切なタイミングで「情緒面のサポート」をすることができなくなってしまうのだ。

前述の本でも、同様の指摘がされている。

アドバイスが上手な上司がいざ、情緒面を補おうと思っても、なかなかできないことがあります。
なぜなら、ふだん仕事のときに、情緒を動かすことをせずに、業務を遂行していることが多いからです。

 

また、ビジネスの世界では「感情を仕事に持ち込むな」
「お前の気持ちなんか聞いていない、お客さんの気持ちを聞いているんだ」などと感情はビジネスから切り離されてきました。
このような上司は、研修などで、上司と部下役に分かれてロールプレイをして、「その言い方はよくない」と指摘し合ったところで、何も効果がありません。
本当に部下の心により添おうとするならば、自分自身が「感じ取る」、あるいは「心を動かす」訓練を通してそのアンテナを磨く必要があります。

おっしゃる通りではあるのだが、実に難しい。

成長が立場に追いつくまでの間、感情を殺しきらないためにできることはなんだろうか。

  • 感情は殺さないが、露わにしない。ただ、保管はしておく。(感情の生け捕り)
  • 保管しておいた感情を「言語化」という棚卸しで整理し、取り出せるようにしておく。

といったことに意識的に取り組むことなのかもしれない。

いや、まあむずいけど。

男性、女性関係なく、わかってほしい辛さがある

私が働くIT業界では下記のような状況が日常茶飯事だ。 

 こんな状況が続く中、誰だって「この辛さをわかってほしい」「安心して、遠慮せず吐き出せる場所がほしい」と思うのは当然だ。

私は男性の上司や同僚から愚痴を聞くシチュエーションも多い。

たまに、「あっこれ解決策を求めていないただ聞いてほしいだけのやつや〜」という状況に遭遇することがある。一般的に女性にありがちなコミュニケーションとして語られる例だが、男性だって「ただ話を聞いてほしいだけの夜」があるのだ。

そういったときに寄り添える分だけの感情は残しておきたいものである。

 

*1:日本経済新聞出版社 見波利幸著